ウクレレを始めたばかりの方に伝えたいことがあります。
ウクレレってハワイアンの伴奏だけじゃないってことを。
もちろんジャカジャカ演るのは楽しいです。
でも、もっともっといろんな演奏ができる楽器なんです!
ハワイアン
ポップス
ロック
ジャズ
クラシック
ジャカジャカと明るく楽しく
しっとりと大人っぽく
せつなく情感を込めて
たくさんのミュージシャンの、いろんな演奏を聴けば、ウクレレってこんなことも出来るんか!
きっと驚くと思います。
ここでは、そんなミュージシャンの演奏がたっぷりと聴けるコンピレーションCDを5枚紹介します。
ここに紹介する沢山の演奏を聴けばきっとわかるはず!
ぜひお気に入りのCDを見つけて、聴いてみてください!
UKULELE STYLINGS #1/THE BEST WITH THE BEST
このCDを手にしたのは、もう20年以上前になります。
ウクレレがおもしろくなってきて、いろんなウクレレの演奏を聴いてみたくなって、街のCDショップで見つけて買ったものです。
ハワイでリリースされたCDですが、ミュージシャンは誰も知らないし、曲も全く知りません。
予備知識ゼロで聴き始めると・・・
これが結構楽しかったのです!
「へーっ、ウクレレってこんな弾き方ができるんや!」
「なんか想像してた『ちょっとおもちゃっぽい手軽な楽器』なんかと全然違うわ!」
初心者向けの教本でポロポロと弾いていただけの僕には、まさに「目から鱗」でした。
全体的に演奏技術がグイグイと前面に出ている感があり、テクニックが半端ないです。
伴奏楽器の域をはるかに飛び出して、バリバリのウクレレが聴けます。
ウクレレの可能性、奥深さに触れ、もっともっとウクレレにはまっていっちゃったのです。
当時は本当にヘビロテ(もう使わない?)で、ずーっと聴いてました。
あっ、日本語のライナーノーツがついているのは助かります。
参加ミュージシャン
参加ミュージシャンの中から4人を紹介します。
- Troy Fernandez
速弾きで超有名。
トロイはアーニー・クルーズ・Jr.と「カアウ・クレーター・ボーイズ」を組んでいました。
ジャワイアンで大ヒット曲を何曲も出しているグループです。
- Herb Ohta Jr.
あのオータさんの長男です。
でも、もういちいちオータさんの名前を出さなくても、ウクレレのトッププレイヤーですよね。
- Peter Moon
ハワイアンの大御所。
ピーターはブラザーズ・カジメロと「サンディ・マノア」を組んでいました。
「Guava Jam」というCDは、ハワイアン好きなら必聴の名盤です。
- Sonny D
ウクレレマニアには有名(悪名?)なサニーDを制作しているウクレレビルダー。
サニーDの演奏が聴けるのは珍しいと思います。
収録曲
収録曲の中から4曲だけですが紹介します。
- Stars & Stripes Forever/Koni Au
トロイが「星条旗よ永遠に」をハワイアン・テイストにアレンジを施して演奏しています。
- Maui Hawaiian Sup’pa Man
イズのCD「フェイシング・フューチャー」の中の曲をサニーDが演奏している貴重(?)なものです。
「フェイシング・フューチャー」もぜひ聴いてほしい超名盤です。
- Ahe Lau Makani/Waiʻalae
ピーター・ムーン節でグイグイときます。
ピーターはスラックキー・ギターもいいけど、ウクレレもやっぱりいいなあと思ってしまいます。
- Bye Medley
4曲のメドレーになっていて、「星条旗よ永遠に」も短いですが入っています。
トロイのバージョンとのテイストの違いも面白いです。
UKULELE STYLINGS #2/HIDDEN Treasures
「UKULELE STYLINGS #1」の続編です。
前作よりも、少しまとまった感があります。
といって、前よりも下というわけでは全然なくて、完全に好みだと思います。
事実、僕はこっちばかり聴いていたときもありました。
この「UKULELE STYLINGS」の#1と#2、できれば両方ですが、それが無理でも1枚は手にして聴いてみてほしいCDです。
正直、ちょっと入手は難しいかもしれませんが。
参加ミュージシャン
あまり知らないミュージシャンが多いですが、1人だけ知っているのはゴードン・マークです。
- Gordon Mark
日本ではあまり知名度はありませんが、ハワイでは結構有名なウクレレ・プレイヤーです。
あとで紹介する「THE ART OF SOLO ʻUKULELE」にも参加しています。
彼の「Nohea」というアルバムは、しっとりと美しいウクレレの音色に浸ることができる名盤です。
収録曲
収録曲の中から4曲を紹介します。
- Tiko Tiko
ブラジル音楽です。
とても軽快で弾けるようなウクレレを聴くことができます。
- Hiʻilawe
たくさんのミュージシャンが演奏している有名曲ですが、ゴードン・マークの手になるとこんな美しい「ヒイラヴェ」になるんです。
- Backyard Jam
演奏テクニックの「ハーモニクス奏法」「ミュート奏法」を聴くことができます。
ウクレレでこんな音も出すことができるんですよね。
- Crazy G
ハワイでは最初に覚えるウクレレ曲といわれてます。
ジェイクもよくハナホー(アンコール)で演ってましたね。
ジェイクのは無理だけど、このクレイジーGだったら・・・と思いませんか!
LEGENDS OF THE UKULELE/HAWAIIAN MASTERS
「LEGENDS OF THE UKULELE」という同じタイトルのCDは他にもありますが、今回は22曲入りの黄色っぽいジャケットのCDを紹介します。
このCDは「ウクレレの歴史」を見せてくれます。
CDに付いているブックレット(英語です)が、ちょっとしたウクレレ図鑑になっていて眺めるだけで楽しいですよ。
内容はなんでも詰め込んだ感が満載で、ウクレレの持っている幅広さを感じるんじゃないかと思います。
参加ミュージシャン
レジェンド揃いなので誰を紹介するか迷ってしまいます。
涙を飲んで(?)4人を紹介します。
- HERB OHTA
オータさんはあえて紹介する必要もないかと思います。
CDもいーっぱい出してますよね。
その中で1枚を選ぶのは難しいのですが、ぜひ聴いてみてほしいのがあります。
「LEGENDARY UKULELE」です。
若き日のオータさんの自由自在でバリバリ壮絶なウクレレソロを堪能できます!
- LYLE RITZ
ウクレレでジャズ、真っ先に頭に浮かんでくるのがライル・リッツという名前じゃないでしょうか。
ジャズ好きな方なら1枚持って、じっくり聴いてみてほしいです。
- KIMO HUSSEY
ウクレレ・プレイヤーでもありますが、あの「He Mele Aloha」の著者の1人でもあります。
あっ「He Mele Aloha」はご存知でしょうか?
ハワイアン・ソングをウクレレで弾きたいなら、絶対にオススメのソングブックです。
僕はハワイで買った英語版を持っていますが、その後に日本語版も出たようです。
- BILL TAPIA
ビル・タピア、知っていますか?
103歳まで現役のウクレレ・プレイヤーだった人です。
2009年、101歳の時に来日しライブを演った人です。
僕はウクレレ・ピクニックで生演奏を聴くことができました。
演奏後にCDにサインをもらったことは忘れられません。
収録曲
22曲もある収録曲の中から4曲ですが紹介します。
- GIPSY UKULELE
ジプシー、どこなくうら寂しさを感じさせるメロディーがウクレレで合っているんです。
ハワイとは全く違うのがおもしろいですね。
- SONG FOR ANNA
オータさんの大ヒット曲。
絶対に、必ず、一度は聴いておくべき曲です。
- KA UA LOKU
あのエディ・カマエの「カ・ウア・ロク」。
ちょっと昔の、そう1950年代くらいのボードビリアンの雰囲気を醸した演奏です。
- STARDUST
ビル・タピアが演奏する「スターダスト」。
理屈は抜きでビルの歴史を感じながら聴くのがいいかと思います。
KAMAKA UKULELE PRESENTS/Keep Strumming!
これはカマカ100周年(2016年)を記念してリリースされた2枚組CDです。
比較的新しいので、他に紹介しているCDよりも入手はしやすいはずです。
今はカマカ以外のウクレレ・メーカーもたくさんありますが、こんなCDを企画・販売できるのはカマカしかありえないです。
カマカというウクレレを中心にしてCDを作るなんて。
それも、贅沢な参加ミュージシャンと贅沢な内容のコンピレーションCD。
ハワイでのカマカの立ち位置が、なんとなくわかりますよね。
参加ミュージシャン
さすがカマカの100周年記念CD、レジェンドから今勢いに乗っているミュージシャンが勢揃いです。
ここも涙を飲んで(?)4人だけ紹介します。
- Jake Shimabukuro
今、カマカ、といったらやっぱりジェイクを外すことはできません。
「ピュアハート」の頃から一貫してカマカだけを弾き続けていますよね。
「コロン」にいたころ、逗子マリーナでやっていたウクレレ・ピクニックで初めてジェイクに会いました。
坊主頭でウクレレを背負って、逗子マリーナの丘を走り回ってた姿、今も目に浮かびます。
- Kuana Torres Kahele
今、最も売れているミュージシャンの1人です。
「ナ・パラパライ」にいたころは、どうしても見た目でケハウ・タムレの後ろにいる印象が強かったのですが、ソロになってから爆発した感じがします。
ハワイアン・ソングが好きな方なら、絶対に耳にしたことがあるはずです。
- Raiatea Helm
モロカイ島出身の現代の歌姫。
彼女の「アリカ」は絶対に聴いておかないと!
透明感あふれるきれいなロングトーンボイス、思わず息を飲む美しさです。
- Hoʻokena
ホオケナのベーシストであるクリス・カマカは、カマカの製造責任者でもあるのです。
日本での知名度はいまいちの感がありますが、間違いなく正当・王道のハワイアン・グループです。
収録曲
2枚組CD、全24曲の中から4曲選ぶのは至難です。。。
でも、えいっと選んでみました。
- Puʻuanahulu
ブライアン・トレンティーノの「プウアナフル」。
どちらかというとバックで演奏していることが多いブライアンですが、ここではソロでハワイアンの名曲を奏でています。
- The Sun
タイマネ・ガードナーの「ザ・サン」。
いつもダイナミックな演奏を見せてくれる彼女が、気持ちを込めながら、ちょっと押さえ気味に演奏していて、なんかがビシビシと伝わってくるのを感じてしまいます。
- Anahola
バイロン・ヤスイの「アナホラ」。
次に紹介するCD「THE ART OF SOLO ʻUKULELE」で演奏しているバイロン・ヤスイ。
彼のソロCDにも収録されている、聴いていて気持ちのいい「アナホラ」の演奏です。
- Amazing Grace
ライアティア・ヘルムの「アメージング・グレース」。
ウクレレの伴奏をシンプルに、できるだけ音を少なくし、ライアティアの歌声が心に染み入るような演奏となっています。
THE ART OF SOLO ʻUKULELE
最後に紹介するのは4人のウクレレ・プレイヤーによる「THE ART OF SOLO ʻUKULELE」です。
タイトル通りソロウクレレのアートのような趣があるCDです。
聴けばわかりますが、前に紹介している4枚とは一線を画す印象があると思います。
いつも聴くわけじゃないけど、ふと静かに聴いてみたくなる。
そんなCDです。
参加ミュージシャン
先に紹介済みのゴードン・マーク、ジェイク・シマブクロ以外の2人を紹介します。
- BENNY CHONG
ジャズのウクレレ・プレイヤーでドン・ホーのバックで演奏していたベニー・チョン。
バイロン・ヤスイとのコンビで活動を行なっているようです。
- BYRON YASUI
もともとはジャズ・ベーシストとして活動したバイロン・ヤスイ。
ソロでリリースしたウクレレCD「Anahola」、聴いていてとても気持ちいいCDですよ。
収録曲
では4曲紹介です。
- Kuʻu Ipo I Ka Heʻe Pue One
ゴードン・マークのしっとり、あくまでもやさしい演奏です。
- Crazy G (in F)
ジェイクの「クレイジーG」。
ライブでのお約束「ファースター!!」はなく(ジェイクが小さい声でささやいてますが)、速弾き演奏をじっくり聴く感じになってます。
やっぱり「クレージーG」はライブの方が盛り上がっていいかな。
- I’ll Take Romance
ベニー・チョンのジャズ・フィーリングあふれる演奏です。
- March Medley
バイロン・ヤスイの勇ましい演奏です。
出だしのミュートしながらのコード弾き、ウクレレのテクニックのひとつです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ちょっと古くて、手に入りにくいCDが多いですが、アマゾンや中古CDを扱っている店、メルカリなんかを探せば、今だったら手にすることができると思います。
今から20年くらい前から何年かのウクレレ・ブームのころは、こういったコンピレーションCDが結構たくさんリリースされた時代でした。
コンピレーションCDのいいところは、1枚の中にいろんな人が、いろんな種類の曲を、いろんな弾き方をしているのを手軽に楽しめることだと思います。
そしてお気に入りをみつけたら、その人のCDを買ってじっくりと楽しめるんですよね。
ウクレレって、決しておもちゃみたいな楽器ではありません。
いろんなウクレレの音に触れて、もっともっとウクレレを好きになってほしいと思っています。
ぜひ、どれでもいいので1枚手に入れて聴いてみてください!
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