自作ウクレレ|初心者がいちからオリジナルのウクレレを作った方法

スポンサーリンク

ウクレレを自作してみたいと思ったことありますか?

自分で作ったウクレレ。
どこにも売っていないウクレレ。
なんか惹かれるもん、ありますよね。

でも、いったいどうやったら自作できるのかよくわからない。

どんなふうにして作るのか?
どんな材料がいるのか?
どんな工具を使うのか?
簡単なのか、難しいのか?
・・・
わからないことだらけじゃないでしょうか。

とくにDIY経験がなければ、木を切ったり削ったり接着したりのイメージもわかないですよね。

DIY初心者の僕が、どうやってウクレレを自作したか、どんなウクレレができたか、をご紹介します。

スポンサーリンク

自作ウクレレ

僕が自作したウクレレがこれ(↓)です。

自作ウクレレ

いかがでしょうか?
自分では結構うまくできたと思っていますが。。。

ウクレレ・キットとかではなく、一から作ったものです。

ちなみにウクレレ・キットはいろんな種類が売ってます。

「ホントに作れんの?」って思う方もいるかもしれませんね。
でも「ホントに作った」のです。

作り方なんて知らない。
材料はどんなものがいるのか知らない。
どんな道具を使うのかも知らないし、なんも持ってない。

そんな僕がどうやって作ったのか。

答えは、ウクレレ制作教室に通ったのです。

ウクレレ制作教室

僕のウクレレ友達に木工の工房を営んでいる人がいて、そこでウクレレ制作教室も開いているのです。

何人かの友達がそこでウクレレを自作してて、僕も誘ってもらい通うことになったのでした。

友達でもある先生が親切丁寧に作り方を教えてくれて、自分の作りたいウクレレにあった材料を揃えてくれて、必要な道具は全部揃っています。
教室に通えば、教えてくれる通りにすればウクレレが作れるのです

でも「教えてくれる通りにする」これがめっちゃ難しい!

一枚板からボディの曲線を切ったり、角材からネックの形を切り出したり、ネックの握りを好みの形・厚さに削ったり、接合部分がピッタリと合うように削ったり…
なんどめげそうになったことか…

切りすぎたり、削りすぎたりのミスを連発してしまいます。
その度に先生がカバーする方法を考えてくれて、なんとか完成までたどり着いたのです。

一人だと絶対にできなかったです。
初心者がウクレレを自作したいなら、教室に通うのが現実的だと思います。

ウクレレ作成の工程

実際のウクレレ作成にはどんな工程があるのか、すごーくざっくりと紹介します。

どんなウクレレにするか決める

最初に決めるのはボディの材とサイズです。

よくあるのがコアとかマホガニーですが、他にもマンゴーだとかいろいろあります。
値段との兼ね合いもありますが、気に入った材を選びましょう。
僕はコアで作りました。

サイズは、ソプラノ、コンサート、テナーから選びます。
僕のはコンサートサイズです。
ただ、作っている途中で、ネックの長さをちょい長め(コンサートとテナーの間)に変更しました。
自分で作るので自分の好みにできるのです。

ヘッドの形とかインレイとかの飾りは、作りながら考えても大丈夫です。

ボディを作る

トップ、バック

ボディのトップとバックの板はブックマッチ(*)で作ります。

(*)厚い木材から2枚の薄い板を切り出し、本を開くように広げて2枚の板を接着ししたもの。木目が左右で揃っていてきれいに見えます。

板の木目を見ながら、どれをトップにするかバックにするか、上下はどうするかを決めます。

僕の板、トラ目が結構入っていていい感じです。

ブックマッチに接着後、型取りをし実際のボディサイズよりちょっと大きめにカットします。
バンドソー(電動のノコギリ)で切るのですが、曲線なのでなかなか思うように切れません。
勢い余って型より小さく切ってしまうと大変なので、慎重に切っていきます。
多少いびつでも最後にはきれいに成形するので、とにかく大きめに切っていきます。

トップ板の方は、サウンドホールの穴あけやサウンドホール周りの飾り(ロゼッタ)をしていきます。

トップとバック板の裏側には、強度補強の板(ブレージング)を接着します。
このブレージングの形、ウクレレメーカーによっていろんな形があります。
強度や響き方に影響してくるんですよね。

サイド

平たい板をひょうたん型に曲げていきます。
左右2枚の板を別々に曲げて、最後にくっつけて枠が完成です。

板はいきなり曲げようとしても曲がりません。
これを曲げるのが大変なんです。

板全体を水で濡らし熱を加え、時間をかけて柔らかくしていきます。
熱の加え方ですが、板全体をシリコンラバーヒーター(**)で温めていくのです。
特に柔らかくしたい箇所(くびれの部分など)には、アイロンを当ててさらに熱を加えます。

(**)ぺらっとしたシリコンゴムのヒーターです。面全体が発熱体なので板全体に熱を加えることができます。

柔らかくなったら板を曲げるため用の型に板をおき、グッと力を入れて曲げていきます。
そしてだいたいの形に曲がったら、モールド(ボディの型)に入れて固定しておきます。

ウクレレ自作

ウクレレボディの型とかシリコンラバーヒーターとか、普通は絶対持ってないですよね。
ウクレレ制作教室だからこその道具です。

それと僕はアイロンを長い時間当てすぎてしまい、くびれの部分を焦がしちゃいました。

ウクレレ自作

紙やすりで削ってもコゲが消えなくてへこみましたが、最後にオイルを塗ったらなんとかごまかせた感じです。
アイロンを当てる時は、やりすぎないようにじっと見てましょう。
(僕はちょっとほったらかしにしてました)

ボディの組み立て

出来上がったトップ板、バック板とサイドの枠を接着してボディの形を作っていきます

箱型になったらトップ板とバック板のはみ出てる部分を切り落とし、滑らかにします。

ボディの外周をバインディングで飾る場合は、バインディングの厚さ分外周を削ります。
バインディングを貼り付けたら、あとは滑らかになるまでひたすら紙やすりがけです。

この外周を削る作業、結構難しいです。
ミスるとボディのダメージがひどくなるので、先生にお任せしてやってもらいました。
危険な作業(扱い方が難しい工具の作業)は素直にお任せした方が安全で安心です。

バインディングをするかどうかは好みですが、板の接合箇所に少しバリが出た時なんかはバインディングでごまかすこともできます。
サイド板のお尻の合わせ目も同じです。
僕は隙間がでちゃったので、ごまかしました。

ネックを作る

ネック

ヘッド部分とネック部分、ボディとの接合部分が一体となった形を、一本の角材から切り出します。

先ずは粗くおおまかな形をバンドソーで切っていきます。
あとはヤスリがけを頑張るのみです。

ネックの手で握る部分は、ヤスリやチーズグレーター(チーズおろし器)でゴシゴシいきます。

このチーズグレーター、本来は料理に使うものですが、木材をゴリゴリと削るのに結構使えるんですよね。

大胆に、繊細に、ゴリゴリとやりましょう。
このシェイプ次第で握り心地が決まるので、ちょっと削ってみては握ってみてを何回も繰り返します。

ボディとの接合部分の凸部分。
ちょっと削りすぎてボディと合わせるとスカスカになってしまいました。

「これは削りすぎやな。あかんな。」
優しく厳しい言葉を先生からいただきました。
でもなんとかなるもんです。
ちゃんとくっついてますから。

指板

フレットを打ち込む溝、昔は一本ずつノコギリで入れてたらしいです。
まっすぐに、平行に溝を掘るのは至難の技だと思います。
ここがでたらめになると、とっても音痴なウクレレになっちゃうので。

今は専用の工具で、一気に全部のフレットの溝掘りができたのでらくちんでした。

この溝を掘る前、僕はネックの長さをコンサートとテナーの間にしたいと思い立ってしまいました。
その時メインで使っていたのがテナーサイズのウクレレでした。
なのでコンサートだと、ちょっと短いかなあ、もうちょい長くできひんかなあ…

思いつきを先生に相談してしまったのです。
先生、しばらく考えた後、テナーの2フレット目を1フレット目にみなして全部の溝を掘ればいいと解決してくれました。

指板にドットマークでなくインレイを入れたいなら、少々大変な作業が待ってます。

まず、インレイの形に貝を切り出します。

次に、指板に切り出したインレイがはまるように彫り込みを入れていきます。

インレイを指板に埋め込んだらフレットを打ち込んで、指板の形ができあがりです。

ヘッド

切り出したネックのヘッド部分に、ボディをカットして余ったコア材を貼り付けてヘッドを作ります。
ボディとお揃いのコアなので、見た目がいい感じになります。

ヘッドの形ができたら、ペグの位置を決めて穴を開けます。

ペグにはこだわりました。
昔の木製ペグみたいな形をした「ペグヘッド(PEGHEADS)」を使いたかったのです。

このペグはネットで見かけて「いいなあ」と思い、使う当てもなく衝動買いしたものでした。
何年も使うことなく置いていたのが、やっと活躍する場面がきたのでした。

ペグの取り付けはリーマーでちょっとずつ、ちょっとずつ穴を大きくして、ピッタリの大きさになったところで接着します。
このペグは左右が決まっているので、間違えないように取り付けます。

ネックに指板をくっつける

形ができたネックと指板をずれないように接着します。

これでネックの完成です。

ボディとネックをくっつけて仕上げる

ボディとネックの形ができたところで、ボディとネックを繋ぎ合わせます。
ボディの凹んだところに、ネックの凸んだ部分を入れ込んで接着するのです。

ここも慎重にやらないとネックが斜めになってしまいます。
(昔、あの有名なサニーDのウクレレでネックが斜めについているのを見たことがあります。そんなんを平気で売っている。さすがサニーDと感心したのを覚えています)

ブリッジの位置決めをしてボディに貼り付けます。


ブリッジの位置決めも慎重にやる必要があります。
垂直からずれると見た目も悪いし、ピッチも合わなくなってしまいます。

ここで使っているボンドについて紹介しておきます。
よく売っている普通の木工用ボンドではなく「タイトボンド」というものを使っています。

タイトボンドはギターやウクレレなど楽器の接着剤としてよく使われています。
木工DIYをするなら1本あると便利なボンドです。

ここまでくると、あと少しです!

ひたすら削ったりペーパーをかけたりして、形を整えていきます。
全体をツルツルになるよう滑らかに仕上げていきましょう。

スベスベになったらオイルを塗り込んいきます。
オイルが乾いたらピックアップとストラップ用のピンを取り付けて完成です!

細かい工程や作業は飛ばしてます。
作業の順番が前後してるものもあります。

だいたいこんな感じでウクレレが完成します。

ウクレレ完成までの時間と費用

自作ウクレレ

気になるのは、

「どれくらいの時間がかかるのか」

「どれくらいの費用がかかるのか」

じゃないでしょうか。

どれくらいの時間がかかるのか

自作ウクレレ

これはどんなウクレレを作るのか。
木工の経験があるか。
どれくらいの頻度で教室に通うか。
などによって全然違ってきます。

僕の場合ですが、作り始めてから完成まで2年ちょっとかかりました。
ただ途中、このウクレレ作成を中断している期間(1年弱)があったので、実質は1年ちょっとです。
教室には月1〜2回のペースで通ってました。

慎重にスローペースでの作業だったので時間はかかりましたが、作っている過程も楽しいのでそんなに時間がかかった感じはしませんでした。

もちろんサクサク進めることもできます。
そうすればもっと早く完成させることも可能です。
実際、僕よりも後から作り始めて、全然早く完成した生徒さんもいます。

どれくらいの費用がかかるのか

自作ウクレレ

これもどんなウクレレを作りたいかによって全然違ってきます。

材(ボディ、指板)に何を使うか。
飾り(インレイ、ロゼッタ、バインディング)をどうするか。
ペグを何にするか。
・・・
それに教室代。

僕のウクレレで、だいたい全部ひっくるめて20万円前後くらいかなあと思います。
もう5年以上経つので細かいことは忘れてしまいましたが、多分それくらいかなと。

「えー、そんなにするの!」と思うか、「そんなに安くできるのか!」と思うか。

自分の思いを込めたウクレレ。
自分好みの仕様のウクレレ。
構造まで理解しているウクレレ。
とにかく、自分で作ったウクレレ。

決して高くはないと思っています。

まとめ

僕がウクレレをどうやって作ったか、ざっくりですがご紹介しました。

ウクレレの自作を考えている方の参考になれば嬉しいです。

家には10本以上のウクレレがありますが、一番手にするのがこのウクレレです。
自分で作ったのは、やっぱり愛着があるのです。

また、ウクレレDIYの本も出ていますので紹介しておきます。
眺めるだけでも楽しいですよ。

著:石原 行雄
¥1,980 (2024/07/03 05:59時点 | Amazon調べ)

<ウクレレキット作成の記事を書きました。2023/7/2追加>
ウクレレ作成を中断していた期間に、ウクレレキットを作っていました。
バリバリにカスタマイズして、かわいいウスレレを作ったのです。
その時のことを記事に書きましたので、よかったらご覧ください。

→ウクレレキットでウクレレを作った記事はこちらです。

最後に僕が通ったウクレレ制作教室をご紹介しておきます。

ウクレレ制作教室 Okalu

工房は千葉県千葉市美浜区にあります。
ウクレレ教室もありますが、オーダーでのウクレレ制作&販売や、小物から家具などの木工製品の制作&販売なども行ってます。

下記リンクよりHPをご覧になってください。

Okalu Handcrafted Ukulele & Furniture
http://okalu.web.fc2.com

Okalu Facebook
https://www.facebook.com/okaluukulele/


コメント

タイトルとURLをコピーしました