フラで踊られることの多い曲『カアナアレ』(Kaʻa Na ʻAle)。
フラが好きな方、ハワイアンソングが好きな方なら、一度は耳にしたことがあるはずです。
とても優しいメロディと歌声。
ハワイ語がわからなくても、優しい気持ちが伝わってくる歌ですよね。
歌っているのはクアナ・トレス・カヘレ(Kuana Torres Kahele )。
ナー・パラパライ(Nā Palapalai)のオリジナルメンバーであり、ソロでも多くの名曲がありますね。
実はこの曲、原曲は一青窈(ひととよう)が歌う『ハナミズキ』。
そう日本の曲だったんです。
今回はこの『カアナアレ』をご紹介します。
誰の曲か?
カアナアレ
『カアナアレ』は、クアナが2015年にリリースしたCD『Music for the Hawaiian Islands, Vol. 3 (Piʻilani, Maui)』の6曲目に収録されています。
ハワイ島ヒロ出身のクアナが、ハワイ諸島7島に想いをこめて作成したシリーズ全7枚。
その3枚目のCDでマウイ島編です。
ちなみにタイトルにあるPiʻilaniは、16世紀ごろにマウイ島を統治した王様です。
ではなぜ『カアナアレ』がマウイ島編なのか?
マウイ島とどんな関係があるのか?
歌詞の内容からはマウイ島を感じることはできません。
いろいろ調べてみてわかったのは・・・
どうやら、クアナがマウイ島のビーチにいた時、その時に湧いてきたインスピレーションがもとになっている、ということらしいです。
ハナミズキ
『ハナミズキ』は、一青窈が2004年2月にリリースした5枚目のシングル曲です。
アルバムとしては2004年7月リリースの『一青想』(ひとおもい)の11曲目に収録されています。
タイトルの意味は?
カアナアレ
『ハナミズキ』という花名をハワイ語に翻訳して『カアナアレ』ではありません。
日本語に翻訳すると「波が打ち寄せる」といった感じの意味です。
マウイ島の海辺、寄せては返す波。
そんな景色を見ていて湧いてきた想いから名付けたのでしょうか。
ハナミズキ
『ハナミズキ』というタイトルは、一青窈がよく行った二子玉川のショッピングセンター『ドッグウッドプラザ』にちなんでいるそうです。
『ドッグウッド』(Dogwood)というのが、英語で『ハナミズキ』のことなのです。
歌詞の内容は?
カアナアレ
実は歌詞を書いたのはクアナでありません。
でも、クアナの想いが土台になっていることは間違いないと思います。
そして最も重要なことは、この曲は2011年3月11日の東日本大震災で亡くなられた方々への追悼の想いを込めた歌だ、いうことです。
ごくごく簡単に歌詞の内容を記すとこんな感じでしょうか。
『寄せては返す波打ち際
そこまで来てください
花のレイをあげましょう』 (『カアナアレ』より)
私には亡くなった方々への祈りに聞こえます。
『ハナミズキ』のメロディに乗せて、クアナの優しい歌声・祈りが心に沁みてきます。
ではなぜ『ハナミズキ』なんでしょうか?
実は『カアナアレ』は『ハナミズキ』に対する返歌だと言われているのです。
ハナミズキ
1912年、日米友好の証として、日本から桜がアメリカに贈られました。
そして1915年、そのお返しとしてアメリカから日本にハナミズキが贈られました。
2001年、アメリカで同時多発テロが発生しました。
この時、一青窈はニューヨークにいた友人からメールをもらい、この『ハナミズキ』の歌詞を作ったのです。
あふれる感情を凝縮し、一気に書き上げた歌詞。
『水際まで来てほしい
つぼみをあげよう
庭のハナミズキ』(『ハナミズキ』より)
そして2011年、東日本大震災が発生しました。
2015年、クアナが『カアナアレ』をリリースしたのです。
『ハナミズキ』についてはネットで検索すると多くの記事が見つかります。
詳しく知りたい方は検索してみてください。
どんな曲か聴いてみたい!
カアナアレ
YouTubeを検索するとたくさん出てきます。
多くの中からクアナがライブで歌っているバージョンをご紹介します。
途中から日本語で『ハナミズキ』を歌っているのが見どころです!
ハナミズキ
この曲もYoutubeにはいっぱいあります。
まとめ
もともと日本の曲だったのが海を渡ってハワイアンとなった曲があります。
今回はその中から『カアナアレ』をご紹介しました。
曲は同じでも歌っている内容はそれぞれです。
でも愛する人への想いが込められている気持ちは同じように伝わってきます。
これからもハワイアンになった日本の曲をご紹介していくつもりです。
今までにご紹介している曲です。
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