アメリカ合衆国最南端の場所はハワイ島にあります。
サウス・ポイント
ハワイ語で「カ・ラエ」(”Ka Lae”)といい、「岬」とか「先端」という意味があります。
あまり聞いたことがない、という方がほとんどだと思います。
そもそもアメリカの最南端がハワイにあること自体を知らない人、多いんじゃないでしょうか?
そしてこの「カ・ラエ」には、もう一つの大きな意味があります。
この岬(カ・ラエ)こそポリネシアンが最初にハワイ上陸した場所なのです。
つまりこの場所から、ハワイの、ハワイ人の歴史が始まったのです。
いったいどんな景色が見れるのでしょうか?
なんせ情報が圧倒的にないのです。
観光ガイドブックにも小さく紹介されているだけです。
ハワイの歴史に興味がある僕は、自分の目で確かめるため、本来レンタカーが走行できない道路を走らせたことがあります。
果たしてどんなだったか。
そこは、空と海、草地と岩だらけの殺風景で荒涼とした景色が広がっているところでした。
人の手になるものは灯台と木製の釣り上げ機だけ。
その荒涼とした空気に包まれながら、太古の時代に思いを馳せます。
ポリネシアから人力だけのカヌーで太平洋を航海してやってきた人々に。
サウス・ポイントが持つ意味
サウス・ポイントにはなんもありません。
ハワイらしいといえばハワイらしいですが、あまりにも素っ気ない場所です。
「ここがアメリカ合衆国の最南端」といった碑はありません。
「アメリカ合衆国最南端訪問の記念グッズ」などもありません。
そもそも売店がありません。
空と海、草地と岩、ほとんどそれだけの景色が広がっているのです。
ではサウス・ポイントには本当になんもないのでしょうか?
違います。
ここにはハワイの、ハワイ人の歴史が始まった地であるという、とてつもなく大きな意味があるのです。
今の観光客が押し寄せるハワイ、にぎやかな楽園ハワイ、そんな姿とは全く違う姿があります。
でも確実に、ここから今のハワイは始まっているのです。
今から1300年以上前、西暦300年から700年くらいのことです。
タヒチのマルケサス諸島から、ポリネシアの人々が、サウス・ポイントにたどり着いたのです。
太平洋の地図を広げてみるとわかりますが、ハワイからずっと南におりて、ちょい右寄りのところにマルケサス諸島があります。
こんなところから、カヌーにのって航海してきたのです。
GPSもコンパスも、地図すらない時代に!
荒涼とした地に立ち、その空気に包まれながら目を閉じ、太古の時代に思いを馳せます。
言葉にはできない何かが、胸の深いところにじわっとしてきました。
サウス・ポイントに来る意味なんだと感じます。
サウス・ポイントへのアクセス
サウス・ポイントにはどうやって行けばいいのでしょうか?
ハワイ島の南の先端なので、行き方自体はすごくシンプルです。
西側(カイルア・コナ)からでも、東側(ヒロ)からでも行けます。
とにかく南に向かって走るのです。
途中、町もあまりなく、ひたすらまっすぐの道です。
一直線で、車も少ないので、スピードを出しすぎないよう注意してください。
ちょっとわかりにくいですが、カフクとワイオヒヌというエリアの間です。
南に向かって折れている道がでてきます。
これがサウス・ポイントへの、サウス・ポイント・ロードです。
「アメリカ最南端のサウス・ポイントへ行く道」などという看板はありません。
家なんかもないので、目印になるようなものは皆無です。
小さな曲がり角なので、注意していないと通り過ぎてしまいそうです。
サウス・ポイント・ロードの注意点ですが、以前はレンタカーで走ることは許されていませんでした。
行くなら自己責任であることを覚悟しておきましょう。
ただし今は大丈夫なレンタカーも増えてきたみたいなので、事前に確認することをおすすめします。
ドライブマップでは悪路だという情報だったのですが、舗装されているところも多く運転はさほど難しくはありません。
でも、ところどころに大きな穴ボコが開いていたりするので、十分に気をつけてください。
サウス・ポイント・ロードの風景
道の両側には、荒涼とした風景が広がっています。
牧場があるのか、馬の姿も見えます。
よっぽど強い風が吹くのでしょう。
斜めに立っている木々や、風力発電用の風車も見えます。
途中で左に折れる道がでてきますが、真っ直ぐに進みましょう。
ちなみに左に行く道は、緑色の砂があるというグリーン・サンド・ビーチに向かう道です。
(現在は関係者以外は立ち入り禁止となっているようです。行こうと考えている方は最新情報を確認してくださいね。)
曲がらずにもう少しまっすぐに走ると、道が終わります。
サウス・ポイントの風景
ここがサウス・ポイントです。
車を停めることができるスペースがあるので、そこに駐車して外にでます。
海の方に向かって歩いていくと、切り立った崖が続いています。
今も使用しているのかわからないけど、船からの荷物の釣り上げ機が設置されています。
ここから海をのぞき込むと、ちょっと恐怖を覚えます。
崖から左の方に歩いていくと、平らな草地が広がっています。
そして、灯台がぽつんと建っています。
アメリカ合衆国の最南端には、灯台が1台あるだけです。
回れ右をして北の方をみると、こんな感じで草地が広がっています。
北側以外は、ひたすらずーっと青い海と青い空が広がっています。
水平線が本当にまるいです。
地球ってまるいんだなって、当たり前のことに感じ入ってしまいます。
眼下は切り立った崖ではなく、岩場だらけで波が打ち付けてます。
この辺りなのでしょうか。
太古にポリネシアの人々が、はじめてたどり着いた場所は。
まとめ
この地から、ハワイの歴史が始まりました。
でも、そんなことを思い起こすようなものは、まったく見当たりません。
あとで知ったのですが、岩場にはポリネシアンがカヌーを停めておくために、ロープをくくりつける穴を開けた跡があるそうです。
カ・ラエ(サウス・ポイント)に古代ハワイアンの足跡をたどり、ハワイのハワイ人の歴史に思いを馳せる。
ハワイ旅行を単にショッピングや観光するだけのものでなく、ハワイの歴史にも触れる旅にする。
カ・ラエを訪れる意味、あると感じませんか。
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